10月1日よりTaylor Guitarの輸入代理店がヤマハ・ミュージック・トレーディング【以下YMT】から、山野楽器に変わり、当店でも扱えるようになりました。これは本当にうれしい。
遡ればモリダイラ楽器の時は1本単位で仕入れできていたTaylor Guitarが、YMTへ移ったと同時に、特約店契約制度になり、10本位の商品を買取り、常時展示していないと1本たりとも仕入れが出来ないなんていう田舎の楽器屋泣かせな条件になってしまった。YMTへ問い合わせると、それがTaylor社の意向なのだという。地方でのブランド力を考ると、いくら個人的に好きなブランドでもこの条件は呑めなかった。だからいくらTaylorがいいギターであっても、お客様に『下さい!』と言われても、ただお断りするしかありませんでした。
アメリカでの楽器販売の現状に詳しいわけではないけれど、聞くところによるとアメリカでは楽器屋さんが100km以上離れたところにあるなんていうのは当たり前。だから、楽器屋自体が一極集中型になり、大型化しているのが現状だという。何十・何百キロ離れたところからいらっしゃったお客様に満足いくまで試奏して頂き、気に入ったギターを手に入れていただこうというのがTaylorの基本コンセプト。そういう考え方から、販売店と数量契約するスタイルをとってアメリカで成功したTaylorだから、日本でも同じようなスタイルを貫こうとしたのだろう。だが、現実的には楽器を買いに電車や車を使って2時間3時間かけて出かけるというスタイルは日本では未だ受け入れられる状況ではなかった。そしてこのアメリカでの成功スタイルをギブソンも日本に持ち込んでいるが、果たして成果は上がっているのだろうか…?
今回の代理店の移行・販売スタイルの変更とは、少なくとも日本ではそんなアメリカのやり方・考え方だけでは通用しないというのが、これで証明されたということなんじゃないか?
どうやったら日本人の心にアピールできるかをもっと日本人の側に立って考えてみる…When in Rome, do as the Romans do.郷に入りては郷に従え ということだと思う。