ヤマハがアコースティックギターの製作において新技術を開発しました。
ヤマハ独自特許の木材改質技術である、製材後長期間を経た木材と同様の変化を生む「A.R.E.(アコースティック・レゾナンス・エンハンスメント)」を施した木材を表板に採用し、音の伝達と振動効率を上げ、中低音成分の伸びの促進と高音成分の立ち上がりや減衰の高速化を実現。これにより、新品でもバランスが良く耳障りな倍音成分の少ない、熟成された温かみのあるビンテージサウンドが得られるとのこと。いってみればジーンズのユーズド加工みたいなものでしょうか。
主観的な判断しか出来ない“音”の世界で、波形が一緒だからヴィンテージと同じ音がすると決め付けるのはどうかと、少し疑問に思ってしまいます(ex.ヤマハのヴァイオリンが、ガルネリをタッピング波形とって研究しても到達しきれてないのと一緒)が、兎にも角にも実際弾いて音を聴いてみなければ何とも言えません。これは世界的に見てもとても画期的な新技術。機会があったら真偽を確かめるためにも是非弾いてみたいですね。
マーチンやギブソンもそうですが、やはりもてはやされているのは相変わらずヴィンテージ市場で、そこでは何十億何百億という取引がされているにも拘らず、自分達には一銭だって入ってきやしないんだから、どうにかしてそういう市場の人達(に憧れる人達)と商売したいところなんでしょうね。Martin AuthenticシリーズやVintage シリーズなんて、このヤマハの新技術と根っこは一緒なのではと思います。確かに経年変化による音の違いは確実にあるし、風格すらある。でも、古いギターの状態管理に悪戦苦闘するより新品を自分なりに育て、そして気楽に弾いて楽しめたほうがよっぽど楽しいよ!というのは、新品しか売れない楽器屋さんの僻みでしょうか…。6月1日発売。
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